臨機応変という強さ

モンテッソーリ教育

こどもやのレッスンで、ある男の子がアイロンビーズに取り組んでいました。


集中してひとつひとつ並べ、もうすぐ完成というときに、目的のビーズの色がないことに気づきました。

事前に「この色はもう残っていないよ」と伝えてはいたけれど、

いざ自分の手で形を作りながらその瞬間を迎えると、やっぱり少し戸惑いが見えました。


それでも彼はしばらく考えて、「じゃあ違う色にしよう」と言って、新しい色で続きを始めました。

その姿を見て、私は思わず「すごいね」と声をかけました。


「決めたことを変えずにやり遂げるのもすごいけど、
その場に合わせて変えられるっていうのも、とても強いことだよ。
そういうのを『臨機応変』って言うんだよ」と伝えました。

臨機応変とは、その場に合わせて心と体をコントロールしながら柔軟に変化できる力。
それは生きる力の一つでもあります。


子どもたちはよく、自分の中のルールを大切にして、その通りにいかないと嫌がったり泣いてしまうことがあります。


それは「秩序の敏感期」という成長の大切な段階でもあります。


けれど少しずつ、「いつもと違っても大丈夫」「こういうのもありかも」と感じられるようになる瞬間があります。

負けても楽しかった、思い通りにいかなくてもできた、
そんな小さな成功体験が、柔軟さと強さを育てていきます。

だから、この子が「じゃあ違う色で」と言えたこと。


それは、ただの色選びではなく、心の成長の証でした。


私はその瞬間を「臨機応変」という言葉で包み、
この子の頑張りとしなやかさをまるごと認めたい、
そして自分の成長に気づいて欲しいと思いました^^

コメント